問診で服薬チェックをかけると「コレステロールがちょっと高いから高脂血症の薬をのんでいます」と言われる患者さんが少しずつ増えているなと感じます。「歯科治療に関係ないでしょ」と思われる方も多いと思いますが、例えばプラバスタチン ナトリウムという高脂血症の薬、実は副作用に歯肉出血があります。確かに、その程度では歯科治療に重大な問題はありません。
しかし副作用は他に、けいれん、手足のしびれ、筋肉痛、歩行困難、吐き気、腹痛、下痢、頭痛、不眠、発熱、発疹、じんま疹、かゆみ、顔や喉のはれ、息苦しい、鼻血、血尿、皮下出血、止血異常、から咳、息切れといった具合に、多種多様にあります。

放っておくと、血管の動脈硬化が少しずつ進んでいき、やがて心筋梗塞や脳卒中心などの深刻な病気を引き起こしかねませんと言われる高脂血症です。こんな緊急性の無い長期的な慢性疾患を、長期の服薬で症状だけ抑えて、副作用のリスクを継続的に上げるなど馬鹿バカしいと思いませんか。

高脂血症の薬に限らず、高血圧や糖尿病など、どの薬でも飲み続けている人に質問が3つあります。「なぜ、のむことになったのですか?」「いつまで、のむつもりですか?」「のみ続けないと、スグ死にますか?」これらの質問を主治医とよく相談しての服薬ですか?

ちなみに「なぜ、のむことになったのですか?」の質問に対して「コレステロールが高いから」は答えではありません。「なぜ、コレステロールが高くなったのですか?」「いつからですか?」。この質問の答えを考えると、ほとんどの方がストレスと運動と食事の生活習慣と密接な関係があることに気づいていただけるのではないでしょうか。

また、最近は患者さんの中にも勝手に服薬を止める方がいらっしゃいます。医療従事者の立場から好ましいとは言えませんが、本人はいたって調子いいみたいです。多分、自分である程度考え、自分の体調感覚を信じて、自己責任で行動しているわけですからある意味素晴らしいと思います。3つの質問のうち残りの2つの質問は今長期継続服薬をされている方へ、減薬断薬をする機会になってほしい内容です。

高脂血症も高血圧症も糖尿病も死因ではありません。脳梗塞、心不全、感染症のリスクを上げてしまうだけです。それでも副作用の多い薬で高脂血症などの症状だけ誤魔化し抑え、その副作用に死ぬまで悩まされ続けますか?

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広島県三原市の歯医者 大名歯科