間違いだらけの風呂習慣が冷え性・免疫低下・乳癌・うつ・自己免疫疾患を作っている
風呂は“洗う場所”ではない ─ 免疫治療装置だった!
お風呂、いいですよね。特に露天風呂の景色と解放感は最高です。
しかし、「入浴=体を洗うこと」と勘違いしている人があまりにも多いのが現実です。実はそれ、健康を損なう最大の落とし穴かもしれません。
タモリさんやたけしさんのように、「体はほとんど洗わない」という人の方が、医学的には理にかなっている部分すらあります。
入浴の目的は「洗う」ではありません
入浴の主な目的は大きく分けて3つあります。
- 水圧で体内循環を押し戻すこと
- 体温を上げて免疫・代謝を活性化すること
- 浮力で体重を軽くし、体を休ませ造血を促すこと
つまり、
風呂は身体の内側を整える場所であって、食器洗い洗浄機ではありません。
西洋医学ではできないことを風呂はしてくれる
一般的に使われるロキソニン、ボルタレン、バファリンなどの痛み止め(NSAIDs・非ステロイド性抗炎症薬)は、痛みを抑える一方で末梢循環(毛細血管レベルの血流)を悪化させるとされています。
生理痛でNSAIDsを飲めば飲むほど、子宮内膜の血液循環が悪化し、生理痛がだんだん重くなっていく「悪循環」に陥る可能性もあります。
さらにステロイドは、NSAIDs以上に血液循環を悪化させるとされ、アトピー性皮膚炎などで長期的に使用すると、皮膚症状が悪化したり、汗腺が減少して皮膚からのデトックスがしづらくなったりするリスクも指摘されています。
一方で、漢方薬は末梢循環を改善し、体温を引き上げる目的で使われることがあります。例えば十全大補湯などは、平熱を37度近くまで上げることを目標に処方されることもあります。
体温が1℃下がると…
- 白血球機能(免疫)は約37%低下
- 基礎代謝は約12%低下
- 体内酵素の働きは約50%低下
と言われています。つまり、低体温は癌・アレルギー・感染症を発症しやすい土台を作ってしまうのです。
入浴不足は病気を招くライフスタイル
当クリニック(原文のクリニック)でも、入浴習慣と健康状態の関連を示唆するようなケースを多数経験しています。
- 4〜5年シャワーだけ:30代で乳がんを2回再発(合計3回目の癌)
- 20年以上、湯に浸からず「洗うだけ」:多系統萎縮症を発症した60代
- 10年以上シャワーのみ:直腸癌を発症し、末期で亡くなった方
- 冬でも風呂に入らず、仕事後にキンキンに冷えたビールだけ:胃がんで死亡した方
もちろん、原因は多因子的で単純ではありませんが、「湯に浸からない生活」と「慢性的な冷え・循環不良」が病気のリスクと無関係とは考えにくいのです。
熱い風呂は“治療”にもなりうる
昔の銭湯は43℃前後の高温が普通でした。今ほど癌やアレルギー、自己免疫疾患が多くなかった時代です。
その理由のひとつとして注目されているのがHSP(Heat Shock Protein・熱ショックタンパク)です。
HSPは、大きなケガややけどの際に分泌され、場所や組織を問わず修復を助けるタンパク質です。重度の歯周病や掌蹠膿疱症などの病気との関連も指摘されています。
そして、このHSPを増やすシンプルな方法が、「熱い風呂に入ること」だと言われています。
熱い風呂に入ると、約3日後にHSPがピークになります。
正しい入浴習慣は、うつ病、アレルギー、癌、自己免疫疾患などの予防やサポートとしても大きな可能性を秘めています。
水圧は「むくみ」と「排泄」の味方
湯船につかることで全身に水圧がかかり、ふくらはぎなどに溜まった疲労物質や余分な水分が体内に押し戻されます。その後、腎臓でろ過され、尿として排泄されやすくなります。
小さなお子さんが「お風呂に入るとすぐおしっこがしたくなる」のは、この水圧効果によるものです。
浮力は体を軽くし、造血を促す
アルキメデスの原理により、湯船の中では体重が約10分の1になります。重力から一時的に解放されることで、筋肉や関節の負担が減るだけでなく、造血能が刺激され、新しい血液が生まれやすい環境になります。
その結果、
- 免疫力アップ
- 貧血へのサポート
- 疲労回復
などが期待できます。
それにもかかわらず、
貧血気味の女性が、ぬるい半身浴で上半身の体温を下げ、浮力も十分に得ないまま入浴を終えてしまうというケースも少なくありません。これでは乳房の温度をわざわざ下げ、乳がんリスクを高めかねない生活習慣と言っても過言ではありません。
正しい風呂の入り方 ─ 顎までつかれ!
ポイントはシンプルです。
- やや熱めの温度設定(個人差あり)
- 顎までしっかり浸かる深さ
- 水圧・体温上昇・浮力の三つをフル活用すること
これによって、
- 末梢循環の改善
- 体温の上昇
- HSPの産生
- 造血と免疫力アップ
が一度に期待できます。
風呂は“無料の免疫治療装置”といっても大げさではありません。
低体温とうつ・アレルギー・自己免疫疾患
最近の研究では、低体温がうつ病にも関与している可能性が指摘されています。慢性的な冷えは、心と体の両方に悪影響を及ぼします。
末梢循環を改善し、体温を上昇させる習慣を持つことで、
- うつ
- アレルギー
- 癌
- 自己免疫疾患
などになりにくい身体づくりを目指すことができます。
その中核となる生活習慣が、「正しい入浴」なのです。
大名歯科からのメッセージ(広島県三原市)
一見、歯科とは関係ないように思える「風呂の話」。しかし、実際の診療現場では、
- 体が冷えている人ほど唾液が少ない
- 唾液が少ない人ほど虫歯・歯周病・口臭が増える
という現実があります。
つまり、全身の血流や体温と、お口の健康は直結しているのです。
だからこそ、大名歯科では「歯みがき」だけでなく、入浴・食事・睡眠など生活習慣そのものの見直しをお伝えしています。
今日のお風呂の入り方が、10年後のあなたの体と歯を作ります。
シャワーだけで済ませている方、ぬる湯で何となく入っている方は、ぜひ一度、入浴習慣を見直してみてください。
Author Profile
- 大名 幸一 Koichi Omyo
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