【歯科医の本音】「放置して大丈夫」は本当?神経を抜いた歯が“朽ち木”になる理由
「今回の治療、とりあえず急ぎではありませんよ」
そうお伝えした時、患者さんからよくいただく質問があります。
「先生、本当にほっといて大丈夫ですか?」
結論から申し上げますと、「大丈夫かどうかは、その後の“ほっとき方”次第」です。
1. 神経を取った歯は「朽ち木」と同じ?
虫歯が大きかったり、知覚過敏がひどかったりして、やむを得ず神経を取ることがあります。これを専門用語で「抜髄(ばつずい)」と呼びます。
実は、神経を取る際、同時に「血管」も取り除いています。歯にとって血管は、酸素や栄養を運ぶ大切なライフライン。その供給がストップした歯は、いわば「枯れた木(朽ち木)」のような状態になってしまうのです。
2. なぜ放置すると「倒壊」のリスクがあるのか
木に例えると分かりやすいでしょう。
- 生きている木: しなりがあり、強い風が吹いても折れにくい。
- 朽ち木(神経のない歯): もろく、乾燥してスカスカ。強い衝撃でパキッと割れやすい。
栄養補給が断たれた歯は、強度が著しく低下します。そのまま何の対策もせずに放置(加工管理を怠ること)すれば、噛む力に耐えきれず、ある日突然「歯根破折(歯の根っこが割れること)」を起こして倒壊してしまうかもしれません。
【ポイント】
神経のない歯が割れてしまうと、多くの場合「抜歯」を選択せざるを得なくなります。そうなる前に手を打つことが重要です。
3. 「朽ち木」を「材木」に変えるのがプロの仕事
神経を取った歯を長持ちさせるためには、ただ穴を塞ぐだけでは不十分です。きちんと加工・管理を施し、丈夫な「材木(柱)」として機能するように作り替えてあげる必要があります。
- 精密な土台(コア)作り: 歯の強度を補強し、折れにくい基礎を作ります。
- 適切な被せ物: 外部の衝撃から守り、隙間から細菌が侵入するのを防ぎます。
まとめ:大切なのは「放置」ではなく「管理」
「緊急性がない」というのは、あくまで「今すぐ激痛が走るわけではない」という意味に過ぎません。
神経のない歯は、放っておけば確実に脆くなっていきます。大切なご自身の歯を1日でも長く持たせるために、適切な「管理」を一緒に進めていきましょう。不安なことがあれば、いつでも大名歯科へご相談ください。
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- 大名 幸一 Koichi Omyo
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