磨いてもムダ!? ― 歯医者が抱える“ハブラシ指導”の矛盾
歯科医院でよく聞くアドバイス――
「歯ブラシでは落としきれない汚れがあります」
でもその一方で、患者さんには
「もっと丁寧にブラッシングしてくださいね」
「磨き残しがありますね、ここを頑張って」
……え? それって矛盾してませんか?
たとえばこんな場面を想像してみてください。
患者Aさん(30代・女性)
歯科衛生士にこう言われました。
「歯と歯の間にバイオフィルム(細菌の膜)ができてるので、歯ブラシだけでは完全には落ちません」
なのに次の瞬間、
「もっとしっかり磨いてください。ここが全然磨けてませんよ!」
Aさんは戸惑いました。
「えっ、落ちないって言ったのに…頑張っても意味ないってこと?」
このような「歯科ジレンマ」は、現場でもよくある話です。
歯ブラシで落としきれないのなら、なぜそれを“頑張らせる”のか?
実はここに、**専門家側の“伝え方の課題”**と、**患者側の“受け取り方のギャップ”**が潜んでいるのです。
もちろん、歯ブラシが意味ないわけではありません。
歯ブラシは第一の防御線。
でも、届かない場所やこびりついた細菌には、フロスや歯間ブラシ、定期的なプロのクリーニングが必要なのです。
じゃあ、どうすればいいの?
患者さんにはこう伝えるのがベストです:
「歯ブラシはあくまで“ベース”。でも、すべての細菌を落とすには限界があります。だからこそ、定期的なケアや補助器具を一緒に使って、チームで口の中を守っていきましょう。」
このように伝えれば、「頑張ってもムダ」と感じることなく、前向きにセルフケアを続けられるはずです。
「歯ブラシだけじゃ落ちません」と言いながら「もっと磨いて!」は、ちょっと矛盾して聞こえる。
でもその理由と対策を正しく知れば、患者さんのモチベーションもぐっと変わります。
“伝え方ひとつ”で、セルフケアの未来が変わるのです。
Author Profile
- 大名 幸一 Koichi Omyo
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