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「歯は削ると弱くなる」はウソ?歯医者だけが知る“削って強くする”技術 削るほど強くなる歯⁉️

2025年10月22日 大名歯科院長
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🦷歯は削ると強くなることもある?歯医者が語る“バランス”の真実

「歯は削れば削るほど弱くなる」

このフレーズ、どこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

確かに、無闇に削れば歯は弱くなります。

しかし、歯科医の立場から言えば──削り方によっては、むしろ強くなることもあるのです。

⚖️「削る=悪」ではない。歯科治療の本質は“バランス”

歯は体の中でも特別な構造をしています。

外側のエナメル質はダイヤモンドに次ぐ硬さを持ち、

その内側には柔軟な象牙質があります。

この二層がうまくバランスをとることで、

“しなやかで折れない”強さを保っているのです。

ところが、虫歯などでバランスが崩れると、

力のかかり方が偏り、歯が欠けたり割れたりすることがあります。

歯医者が行う「削る治療」は、弱くなったバランスを整える行為でもあるのです。

✏️鉛筆のたとえでわかる「バランスの強さ」

想像してみてください。

新品の長い鉛筆は、少し力を加えるだけで簡単に折れてしまいますよね。

ところが、使って削って短くなると──5cmほどの長さでは折れにくくなる。

これは、長さ(バランス)の最適化によって強度が増すという現象です。

歯も同じで、咬む力・歯ぐき・かみ合わせのバランスが整えば、

削っても逆に“割れにくい歯”になることがあるのです。

🦷歯を守る「削り方」がある

歯医者が行う削合(けずり)や咬合調整には、明確な目的があります。

たとえば──

かみ合わせが高すぎて、1本の歯に力が集中している場合 被せ物が少し浮いていて、上下の歯が干渉している場合 くいしばり・歯ぎしりで、歯の根本が割れそうな場合

これらのケースでは、ほんの0.1mm単位で削ることにより、力のバランスを再分配できます。

結果として、歯が長持ちし、痛みやひび割れの予防につながるのです。

つまり、「歯を削る=弱くする」とは限らず、

“強く働ける形に整える”のがプロの削り方なのです。

💡大切なのは「削ること」ではなく「整えること」

人間の歯は、ただの“硬い組織”ではなく、

噛む力・舌の動き・顎関節などとの協調システムの中で生きています。

そのバランスが崩れたときに、

歯科医は“削ることで調律する”のです。

これは、ピアノの調律師が弦を少しずつ調整して美しい音を出すのと同じ。

歯を長持ちさせるには、「削る知識」と「削らない判断」の両方が必要です。

🏥大名歯科からのメッセージ

「削る=悪い」と思い込んでいる方ほど、

痛みや違和感を我慢して来院が遅れ、

結果的に大きく削る治療になるケースが多いです。

早めの調整や定期的なチェックこそが、

“削らずに済む口”を育てる最善の予防です。

歯を守るには、怖がらずに専門家に相談することから始めましょう。

削るかどうかを決めるのは、あなたの歯のバランス次第です。


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