あなたの歯が割れるのはあなたのせい!? “硬い物の噛み方”の真実
梅干しの種やガム、ナッツなどの硬い食べ物は、噛み方を間違えると簡単に歯を割ったり欠けさせたりします。
「歯が弱いから…」とあきらめる前に、まずは噛み方のクセを見直してみませんか?
硬い食べ物の取扱説明書(知らないと歯が割れます)
昔、梅干しの種を歯でパキッと割る人が結構いました。
「よく歯が割れなかったな」と思いませんか?
実は、彼らは“ゆっくり捕まえてから力を込める”という、歯を守る噛み方を自然にしていたのです。
上下の歯で種をじわっと挟み、位置を安定させてから圧をかける…。この順番があるから歯は割れにくくなります。
もしこれを、勢いよくガッ!と噛んでいたら、歯は簡単に割れていたはずです。
歯が強いから割れなかったのではなく、“ゆっくり噛む習慣”が歯を守っていたということですね。
現代は柔らかい食べ物が増え、噛み方そのものを教わる機会がほとんどありません。
その結果、たまに出てくる硬い食べ物に対して、
いきなり強く噛んでしまい、歯の事故が多発する時代になっています。
ガムの糖衣で歯が欠けた!? 原因はガムではなく「あなたの噛み方」
先日、患者さんからこんなご相談がありました。
「ガムを噛んでいたら、歯が欠けた気がするんですけど…」
当院では、唾液を増やしたり、虫歯や歯周病の予防のために、
条件付きでガムをおすすめしています。しかし、ひとつだけ守ってほしいルールがあります。
それは、速く噛まないこと。
特に冬など、気温が低い日は糖衣がいつもより固くなります。
その状態で、いきなりガリッと噛んでしまうと…
・エナメル質にヒビが入る
・小さく欠けて、しみる・痛む原因になる
といったトラブルが起きることがあります。
つまり、ガムが危険なのではなく、「早噛み」が危険なのです。
歯を守りながら噛むための“安全ブレーキ”習慣
硬い物を食べるとき、次のポイントを意識するだけで、歯の寿命が大きく変わります。
- ① 硬い物は、まずゆっくり位置決め
いきなり噛み込まず、上下の歯で軽く当てて「どこで噛むか」を確認します。 - ② スローモーションでじわっと圧をかける
パキッと一気に噛むのではなく、ブレーキを踏むように少しずつ力を入れていきます。 - ③ ガムや飴の“一口目”は特にゆっくり
最初の1~2噛みをゆっくり行うだけで、歯へのダメージは大幅に減らせます。 - ④ 冬は「糖衣カチカチ注意報」
気温が低い日は、糖衣・チョココーティングなどが特に硬くなります。いつも以上にスロースタートを意識しましょう。
「ゆっくり噛む習慣」こそ、歯の最高の保険
歯科医院で修理できる歯もありますが、一度割れたり、大きく欠けたりすると元通りには戻りません。
高額な治療をしても、「完全に元の自分の歯」になることはないのです。
老後まで多くの歯を残している人は、必ずしも歯が「特別に強い」わけではありません。
実は、噛み方が上手い人なのです。
あなたの歯は今日の噛み方で守られ、明日の噛み方で壊れます。
硬い物を避けるよりも、まずは噛み方の見直しから始めてみませんか?
まとめ:硬い食べ物は悪者ではなく、噛み方しだいで味方にも敵にもなる
梅干しの種も、ガムの糖衣も、ナッツも、おせんべいも…。
どれも「噛み方」さえ間違えなければ、歯と体の健康を支えてくれる食品です。
歯を壊すのは「硬い物」ではなく、勢いまかせの早噛み。
今日から一口目だけでも、ゆっくり・じわっと噛む習慣をつけてみてください。
大名歯科では、むし歯や歯周病だけでなく、「噛み方のクセ」や「歯を守る食べ方」についてもご相談いただけます。
「硬い物が怖くて噛めない」「歯が欠けそうで不安」という方は、お気軽にご相談ください。














