大名歯科院長ブログOHMYO BLOG

舌がピリピリ・ヒリヒリするのに「異常なし」と言われた方へ。それって「舌痛症」かもしれません

2026年3月18日 大名歯科院長
この記事をFacebookでシェアする

舌がピリピリ・ヒリヒリするのに「異常なし」と言われた方へ。それって「舌痛症」かもしれません

「舌がピリピリ、ヒリヒリ痛むのに、鏡で見ても傷やできものがない」
「他の歯医者さんや病院で診てもらったけれど『異常ありません』と言われてしまった」
「もしかして、がんなどの悪い病気ではないか…」

大名歯科には、このような深い不安を抱えて来院される患者さんが少なくありません。目に見える異常がないため、周囲の人に辛さを理解してもらえず、一人で悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その痛み、もしかすると「舌痛症(ぜっつうしょう)」かもしれません。
この記事では、舌痛症の特徴や原因、そして治療へのアプローチについて、悩んでいる方が少しでも安心できるように分かりやすく解説します。

結論:舌痛症は「悪い病気」ではありません

まず最初にお伝えしたい最も大切なことは、「舌痛症は、がんなどの悪性の病気ではない」ということです。

がんなどの悪性腫瘍の場合、必ず潰瘍(かいよう)や「できもの」などの目に見える粘膜の異常を伴います。痛みだけが症状として現れることは非常にまれです。
舌痛症は、そうした目に見える病変や、痛みの原因となる他の病気(貧血、糖尿病、カンジダ菌などの感染症、お口の乾燥など)をすべて検査して除外した上で、最終的に診断される病気です。

「異常がない」と言われると戸惑うかもしれませんが、それは裏を返せば「命に関わるような悪い病気ではない」という証明でもあります。まずはどうか、ご安心ください。

舌痛症(ぜっつうしょう)とは?

舌痛症とは、お口の中の粘膜に明らかな異常がないにもかかわらず、ヒリヒリ・ピリピリとした原因不明の痛みが続く病態です。国際的には「口腔内灼熱症候群(バーニングマウス症候群)」とも呼ばれています。

【舌痛症の診断基準の目安】

  • ヒリヒリ、カーッとするような、やけるような痛み
  • 痛みが1日に2時間以上ある
  • その状態が3ヶ月以上、毎日続いている
  • 検査をしても、痛みの原因となる明らかな病気や傷が見当たらない

舌痛症の痛みの特徴:「気のせい」ではありません

「誰にも分かってもらえない」と悩む方が多い舌痛症ですが、患者さんにはいくつかの共通した特徴があります。あなたの症状に当てはまるものはありますか?

  • 食事中は痛みが楽になる(不思議なことに、何かを食べている間や、無意識にガムを噛んでいる時は痛みが和らぎます)
  • 朝起きてから寝るまで痛みが続くが、痛みで眠れないことはない
  • 痛みの強さには波がある
  • 舌の先端や縁(ふち)、歯ぐき、唇などに両側性の痛みが出やすい
  • お口の乾燥や、味覚の違和感を伴うことがある

他人に分かってもらえなくても、あなたが感じている痛みは決して「気のせい」ではありません。脳の痛みを調整する機能や、神経の働きにわずかな変化が起きている「実際の痛み」であることが最近の研究で分かってきています。

なぜ舌痛症になるの?どんな人がなりやすい?

現在のところ、舌痛症の「これ」といった決定的な原因は一つに絞りきれていませんが、以下のような複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

  • ホルモンバランスの変化:更年期(閉経後)の女性に多く見られるため、女性ホルモンの減少が関係していると考えられています(男女比は1:8〜1:10で女性に多い傾向があります)。
  • 心理的・社会的ストレス:仕事や家庭での不安、過去の強いストレスなどが痛みの引き金(トリガー)になることが分かっています。
  • 神経や免疫系の過敏状態:お口の中の感覚神経が敏感になったり、痛みを抑える脳の働きが低下している可能性があります。

舌痛症の治療について

舌痛症には「これを飲めばすぐに治る」という特効薬(原因療法)がまだありません。しかし、「痛みをゼロにする」ことではなく、「痛みをうまくコントロールして日常生活の質(QOL)を上げる」ことを目標に、治療(対症療法)を進めていきます。

なぜ、歯科から「精神科・心療内科」を勧められることがあるの?

舌痛症の治療の一環として、歯科医師から精神科や心療内科の受診をお勧めすることがあります。「舌が痛いのに、なぜ心の病院?」と驚かれるかもしれませんが、これには前向きな理由が2つあります。

  1. 「抗うつ薬」が慢性的な痛みに直接効くから
    うつ病のお薬は、気分を落ち着かせるだけでなく、脳が本来持っている「痛みを抑える神経の働き」を強める効果があります。そのため、一般的な鎮痛剤が効きにくい神経の痛みに対して、お薬の力で痛みを和らげることが期待できます。
  2. ストレスや不安を和らげることが、痛みの緩和に直結するから
    舌痛症はストレスや不安と密接に関係しています。専門の医師のもとで「認知行動療法(痛みとの上手な付き合い方やリラックス法を身につける治療)」などを受けることで、痛みが劇的に改善するケースも多くあります。

決して「心が弱いから」という理由でご紹介するわけではありません。あなたが少しでも早く痛みから解放され、楽に生活できるようになるための、非常に有効な選択肢の一つなのです。

大名歯科からのお願い:一人で悩まずご相談ください

舌痛症は、すぐには完治が難しい病気かもしれませんが、正しい診断を受け、病気への理解を深めることで、痛みへの不安は大きく軽減されます。

「ずっと舌が痛くて不安」「いろいろ調べたけれど原因がわからない」という方は、まずは他の病気が隠れていないかを含め、大名歯科でしっかりとお口の中のチェックをさせてください。私たちは、患者さんの辛い症状に寄り添い、一緒に最善の解決策を探していきます。


この記事をFacebookでシェアする

Copyright(C) 2013 OHMYO Dental Office All Rights Reserved.