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「かみしめは関節の毒」──肩こり・顎こりの本当の原因と治し方

2025年11月14日 大名歯科院長
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「硬直は関節の毒」──顎と肩が凝る本当の理由

人の体は、本来動き続けることで健康を保っています。しかし現代は、スマホ・パソコン・長時間同じ姿勢などによって「静止による硬直」が起こりやすい生活環境です。

この“硬直”こそが、顎関節症・肩こり・頭痛・かみしめ癖の大きな原因となります。

顎関節の硬直=かみしめ・くいしばり

「硬直」とは、筋肉や関節が固まり動かなくなる状態のことです。顎関節の場合、それがかみしめ・くいしばりとして現れます。

かみしめが続くと起こること

  • 歯が削れる
  • 歯が割れる
  • 歯がグラつく
  • 顎関節がズレる
  • 咀嚼筋が疲労する
  • 肩こり・頭痛が慢性化する

これらはすべて、意図せず行われる「上下の歯の接触癖(TCH)」の結果です。歯科の視点から見ると、無意識の自傷行為といってもいいほど、身体への負担が大きい習慣です。

動いている場所に「コリ」は生まれない

ひざや肩は、動かし続けていると悪くなりにくいといわれています。実は顎も同じで、動かしていれば硬直しにくくなります。

逆に、

  • スマホ長時間利用
  • うつむき姿勢
  • 歯を合わせ続ける癖

など、「一点に負荷が集中する姿勢」が続くと、顎も肩も血流が滞り“コリ”が発生します。

顎も肩も「歩くようにゆっくり動かす」が正解

意識して、次のような習慣を取り入れてみてください。

  • 舌を大きく動かす
  • 顎を力を抜いてゆっくり動かす
  • 肩をゆっくり回す

これだけでも血行が改善し、表情も明るくなりやすくなります。

ヒアルロン酸で顎関節症は治る?

「ヒアルロン酸注射で顎関節症は治りますか?」という質問を受けることがありますが、硬直が原因の顎関節症は、注射だけでは根本改善しません。

大切なのは、

  • 日中のかみしめ癖を減らすこと
  • 顎と舌をこまめに動かし、血流とリンパの循環をつくること

といった、毎日の生活習慣の見直しです。

上下の歯は“離れているのが正常”

実は、人間はリラックスしているとき、上下の歯は触れていません。

1日のうち、歯が接触してよい時間は平均して20分以下と言われています。それ以上触れていれば、それは「硬直による自傷行為」と考えてよいレベルです。歯も顎も、少しずつ確実に壊れていきます。

今日からできる“硬直しない生活習慣”

顎関節症や肩こり、かみしめ癖の予防・改善のために、今日からできるポイントをまとめます。

  • スマホはできるだけ顔の高さで持つ
  • 上下の歯は基本は離す(「脱力の歯間1mm」)
  • 舌をしっかり動かす(舌回し・舌のストレッチ)
  • ときどき深呼吸をして力みを抜く
  • 肩をゆっくり後ろへ回す
  • 「あ、今かみしめてる」と気づいたらやめるだけでOK

大事なのは、“完璧にやろう”と頑張りすぎないことです。「じっとしている時間を減らす」「固まったら少し動かす」くらいの意識で、十分に変化が出てきます。

まとめ:硬直は関節の毒。動けば血が流れる。

肩こりも顎こりも、ほとんどは静止=硬直による血行不良が原因です。

歯を守るためにも、顎を守るためにも、そして表情を明るくするためにも、

とにかく「動かすこと」が最大の予防になります。

かみしめ癖が気になる方、顎関節症が心配な方、原因不明の肩こりや頭痛が続く方は、一度かみ合わせや顎関節の状態をチェックすることをおすすめします。お気軽に大名歯科までご相談ください。


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