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手抜き料理がまさかのアンチエイジング!? 歯科医が教える“噛む美容法”

2025年11月21日 大名歯科院長
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手抜き料理がまさかのアンチエイジング!? 歯科医が教える“噛む美容法”

忙しい日の「手抜き料理」が、実はアンチエイジングにつながることをご存じですか? ポイントは、噛む回数が自然と増えることです。よく噛むことで唾液がたくさん分泌され、歯や全身にうれしい効果が生まれます。

ここで大名歯科がおすすめする「手抜き料理」とは、次のようなものです。

  • 材料を細かく切りすぎない(少し大きめゴロゴロカット)
  • 調味料をたくさん使わない(シンプルな味付け)

決して、加工食品やインスタント食品を多用するという意味ではありません。むしろ、できるだけ自然な食材を使い、ちょっと“手を抜く”ことで、噛む回数を増やす工夫と考えてください。


歯にも「好き嫌い」があるって知っていますか?

実は、歯にも「好きなもの」と「嫌いなもの」があります。

まず、歯が苦手なのは酸(すっぱいもの)です。例えば、次のようなものです。

  • お酢を使った料理やドリンク
  • レモン・グレープフルーツなどの柑橘類
  • 果物全般をダラダラ食べる習慣
  • スポーツドリンクや酸性度の高い清涼飲料水

こうした酸性の飲食物を「体にいいから」と頻繁に飲んだり食べたりしていると、歯の表面(エナメル質)が溶けてしまい、酸蝕症(さんしょくしょう)の原因になることがあります。

一方で、歯の大好物は何だと思いますか? それは、ミネラルたっぷりの唾液です。

唾液には次のような働きがあります。

  • 歯の表面を修復する(再石灰化)
  • 虫歯予防
  • 口臭予防
  • 食中毒の予防
  • お口全体の潤いと老化予防

つまり、よく噛んで唾液を出す生活は、歯にとっても体にとってもアンチエイジングなのです。


味見で虫歯?知らないうちに歯のミネラルが減っています

料理中に何気なくしている「ちょっと味見」。実はこれが、毎日のように歯のミネラルを奪っていることがあります。

虫歯になる仕組みはとてもシンプルです。

  1. 酸によって歯の表面からミネラルが溶け出す(脱灰)
  2. 唾液の力でミネラルが戻る(再石灰化)

この脱灰と再石灰化のバランスが崩れたときに虫歯が発生します。

味見のときには、

  • 調味料に含まれるわずかな酸
  • 料理中の少量の炭水化物を虫歯菌が代謝して作る酸

などにより、歯のミネラルが少しずつ溶け出しています。

ミネラルを補充する方法はただひとつ。唾液による、時間をかけた再石灰化しかありません。

しかし、味見を何度も繰り返すと、

  • 口の中が「酸性の時間」だらけになる
  • 再石灰化する時間が足りなくなる

結果として、虫歯になりやすい環境が続いてしまうのです。

お仕事として料理する方を除けば、基本的には「味見の回数は減らす」ことをおすすめします。


手抜き料理+よく噛む習慣がアンチエイジングの近道

ここまでをまとめると、次のようになります。

  • 手抜き料理(大きめカット・薄味) → 噛む回数が増える → 唾液がたくさん出る
  • 唾液 → 歯を修復し、虫歯・口臭・老化予防に役立つ
  • 酸の摂りすぎや頻繁な味見 → 歯のミネラルが失われやすくなる

忙しいからこその「いい意味での手抜き」は、歯にとっても体にとってもメリットがたくさんあります。

噛む回数を増やし、唾液を味方につけることは、お口の健康はもちろん、見た目の若さや全身のアンチエイジングにもつながる大切な習慣です。

毎日の食事で、ぜひ意識してみてください。


大名歯科では、「よく噛めるお口づくり」と「虫歯・歯周病の予防」を大切にした診療を行っています。食事や生活習慣についてのご相談もお気軽にどうぞ。


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