大名歯科院長ブログOHMYO BLOG

口なめ病にステロイド?その前に“口呼吸”を疑ってください

2025年12月15日 大名歯科院長
この記事をFacebookでシェアする

口なめ病?に保湿剤やステロイド?

寒い季節になると、小児によく見られる
「口なめ病(なめまわし皮膚炎)」

最近も「保湿剤を塗りましょう」「治らなければステロイドを使いましょう」
という内容の記事を目にしました。

しかし正直に感じたのは、
不可解な点が多いということです。

本当にそれが原因なのでしょうか?

一般的には、

  • 乾燥した唇をなめる
  • 唾液で皮脂膜が失われる
  • 物理的刺激で皮膚が荒れる

と説明されます。現象としては間違っていないでしょう。

しかし、ここで一つ大切な視点が抜けています。


なぜ、無意識に口の周りをなめ続けるのか?
そもそも、口呼吸のクセは大丈夫でしょうか?

この程度の症状ですぐステロイド?

赤みやヒリヒリ感が出たら、
すぐに保湿、すぐにステロイド。

これはあくまで対症療法です。
一時的に症状は落ち着くかもしれません。

しかし、
本気で根治させるつもりはあるのでしょうか?

原因が改善されなければ、
薬をやめた途端に再発するケースは少なくありません。

口なめ病の本当のスタート地点

歯科の立場から見ると、
口なめ病の背景には次のような要因が見えてきます。

  • 口呼吸のクセ
  • 唇や口周囲の慢性的な乾燥
  • 唾液分泌の少なさ
  • 無意識の舌の動き

唾液は本来、口の中だけでなく、
唇やその周囲を守る天然の保湿・防御システムです。

しかし口呼吸が習慣化すると、
唾液は乾き、唇は荒れ、
なめる → さらに乾燥する
という悪循環に陥ります。

皮膚炎=皮膚科だけで考えていませんか?

もちろん、皮膚科の診断が必要なケースもあります。
アレルギー性接触皮膚炎や、
歯磨き粉・リップクリームが原因の場合もあるでしょう。

しかし、

  • 何度も繰り返す
  • 冬になると必ず悪化する
  • ステロイドをやめると再発する

こうした場合は、
皮膚以外の原因にも目を向ける必要があります。

歯科医からの本音アドバイス

口なめ病は、
「塗って治す病気」ではなく、
「口の使い方を見直すサイン」かもしれません。

  • 口はしっかり閉じられているか
  • 鼻で呼吸できているか
  • 唇や舌が常に乾いていないか

一度、日常生活の中で
これらをじっくり観察してみてください。

薬はあくまで補助です。
根本原因に目を向けなければ、
本当の意味での改善にはつながりません。


この記事をFacebookでシェアする

Copyright(C) 2013 OHMYO Dental Office All Rights Reserved.