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🧴【専門家監修】イソジン(ポビドンヨード)の効果と危険性|うがいの正しい使い方を徹底解説

2025年10月18日 大名歯科院長
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🦠 イソジンは「クスリ」です。正しく使わないとリスクも

「イソジン(ポビドンヨード)」は、ウイルスや細菌に対して強い殺菌効果を持つ医薬品です。

しかし、「強い=安全」ではありません。正しい理解と使い方をしなければ、口腔内の粘膜や常在菌に悪影響を与えるリスクがあります。

✅ 結論:イソジンは“短期間・限定的に使う”のが正解。毎日うがいはNG!

💡 イソジン(ポビドンヨード)とは?

一般名:ポビドンヨード(Povidone-Iodine) 主な製品名:イソジンうがい薬、明治うがい薬など 医薬品分類:殺菌消毒薬(ヨウ素系)

イソジンは、医療現場や家庭で広く使われており、粘膜にも使用できる唯一の殺菌消毒薬として知られています。

皮膚だけでなく、口腔・喉の殺菌にも使える点が特徴です。

🔬 イソジンの効果:ウイルスにも細菌にも効く

イソジン(ポビドンヨード)は、

インフルエンザウイルス コロナウイルス(in vitroで) 黄色ブドウ球菌・大腸菌 など

多くの微生物を化学的に不活化します。

✅ 一時的にウイルス量を減らす効果

うがいによって口腔・喉に付着したウイルスを物理的に減らすことができます。

そのため「口の中のウイルス量を減らす」という意味では確かに効果があります。

⚠️ イソジンのリスクと注意点

① 常在菌を殺してしまう

イソジンは“悪い菌”だけでなく、“良い菌”も殺します。

口腔内には免疫を支える常在菌が多く存在し、これらを失うとむしろ感染しやすい環境になります。

② 粘膜へのダメージ

濃度が高い、または頻繁な使用は、粘膜を刺激・損傷することがあります。

とくに口内炎や傷がある場合は悪化の原因にも。

③ 甲状腺への影響

ポビドンヨードを過剰に使うと、ヨウ素の過剰摂取となり、

甲状腺ホルモンのバランスが崩れるリスクがあります。

妊婦・授乳婦・甲状腺疾患のある方は特に注意が必要です。

④ 歯の着色・エナメル質への影響

酸性であるため、歯の表面が荒れたり着色したりするケースも報告されています。

🧬 コロナや感染症予防にイソジンは有効?

新型コロナウイルス感染症の流行時に、「イソジンうがいで予防できる」と話題になりました。

しかし、科学的な観点から見ると次のように整理できます。

● 感染予防効果は限定的

ウイルスが細胞に侵入する前であれば、不活化の可能性がありますが、

一度感染して細胞内に入ったウイルスには効果がありません。

● 鼻や肺のウイルスには届かない

新型コロナはACE2受容体を持つ「鼻腔・舌・肺」の細胞に感染します。

つまり、口だけうがいしても、肺や鼻にあるウイルスは減らせません。

🩺 医師・歯科医の見解:イソジンの“正しい使い方”

感染予防(毎日のうがい) ❌ おすすめしない

常在菌バランスを壊すため、かえって免疫力低下のリスク

風邪やのどの痛みがあるときの短期使用 ⭕ 有効

一時的な殺菌には効果的。ただし数日以内に限定

コロナ・インフルエンザ感染後の使用 ❌ 効果なし

すでに感染している細胞内のウイルスには作用しない

🧠 専門家のアドバイス

「イソジンは“悪い菌を殺す薬”というより、“すべての菌を殺す薬”です。

だからこそ、常用ではなく、限定的な使用が原則なんです。」

歯科や耳鼻科の現場でも、「日常的なうがいには水または緑茶うがいを推奨」という意見が増えています。

緑茶に含まれるカテキンには、穏やかな抗菌作用と粘膜保護作用があるため、

口腔内フローラを壊さずに感染予防が可能です。

🧾 まとめ:イソジンの使い方を間違えないために

✅イソジンは医薬品であり、強力な殺菌作用を持つ

❌毎日のうがいには向かない

⭕️一時的な感染対策には有効

⚠️常在菌を壊すことで免疫を下げる可能性

⚠️甲状腺・粘膜・歯への影響に注意

最後に

🧴 正しいうがいのおすすめ

日常のうがい:水または緑茶うがい

喉が痛い・感染が疑われる時のみ:イソジンを短期的に使用

使用後は口を水で軽くすすぐと刺激を軽減できます


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