虫歯ゼロなのに歯が痛む真犯人――それ、あなたの“頑張りグセ”です
朝起きたら歯が痛い/噛むと痛い日がある/冷たいものがしみるのに毎日ではない……。
そんな「気まぐれな歯の痛み」に悩む方は少なくありません。検査しても虫歯が見つからず、
いつの間にか痛みが消えてしまうことも。実はこのタイプの痛みは、ストレスと
歯列接触癖(TCH)が関係しているケースがあります。
「痛いのに、歯医者に行く頃には治っている」…よくある光景
痛みが出るたびに歯科医院へ予約し、受診日が近づくと不思議と落ち着く。
レントゲンを撮っても虫歯は見つからず、「見落としでは?」と不安になる方もいます。
一方で歯科医師側も、虫歯がないのに削ることはできません。こうしたすれ違いは、
歯科の現場では珍しくありません。
結論:持続して痛くない歯を、勢いで削ってはいけません
ここで大切なことを一つ。痛みがずっと続いていないのに、すぐ歯を削る判断は危険です。
歯は一度削ると元に戻りません。
仮にとても小さな虫歯があったとしても、見落とす程度の小さな虫歯が強い痛みを出すことは稀です。
その場合は「削らなくてラッキーだった」と考えてよいこともあります。
原因の正体は「歯列接触癖(TCH)」かもしれません
日によって変わる歯の痛みで多い原因のひとつが、
TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)です。
これは、上下の歯を無意識に長時間触れさせてしまうクセのこと。
本来、リラックスしているときの上下の歯は、軽く離れているのが自然です。
ところが、気づかないうちに歯を当て続けると、歯・歯根膜・顎の筋肉にじわじわ負担がかかり、
「虫歯がないのに痛い」という状態を招くことがあります。
TCHを強める最大の引き金=ストレス
TCHが増える大きな要因はストレスです。ここで言うストレスとは、
「頑張っている」「集中している」「イライラしている」といった状態も含みます。
- 時間に追われる家事
- 車の運転
- パソコンやスマホ作業
- 忙しすぎる仕事
「忙しい時期だけ歯が痛む」「落ち着いたら痛みが減る」という方は、TCHが関係している可能性があります。
忙しくてもできる!TCHを減らす簡単セルフ対策
① 見える化:貼り紙で気づきを増やす
目につくところに「歯を離す」「リラックス」と書いたメモを貼ってください。
気づいたら深呼吸を1回。そしてまた作業に戻る。これだけでも接触時間は減っていきます。
② シュガーレスガムで“当てっぱなし”を防ぐ
家事や仕事中にシュガーレスガムを軽く噛むのも有効です。
ガムを噛むことで上下の歯が「当たり続ける状態」になりにくくなり、
結果としてTCHの時間短縮につながります。
※ガムは「だらだら長時間」でも、糖入りだと虫歯リスクになります。必ずシュガーレスを選びましょう。
まとめ:原因不明の歯痛は「削る前に、生活習慣とストレス」を疑う
検査しても虫歯が見つからないのに、日によって歯が痛む。
そんなときは、ストレスによる歯列接触癖(TCH)が隠れているかもしれません。
歯は削れば削るほど“元には戻らない組織”です。削る前に、まずは噛みしめや接触のクセを見直しましょう。
気になる方は、状態に合わせた対策をご提案しますので、どうぞお気軽に大名歯科へご相談ください。














