ストレスで歯周病に?「歯肉ネグレクト」をやめて免疫力を上げる方法
「肝臓は沈黙の臓器」という言葉、皆さんも聞いたことがあると思います。
調子が悪くてもギリギリまで我慢してしまう肝臓に対し、「歯」は非常におしゃべりな「物言う臓器」であることをご存知でしょうか?
私たち歯科医が患者さんのお口を拝見すると、そこには驚くほど多くの「生活の証拠」が刻まれています。
今回は、意外と知られていない「歯と全身のつながり」、そして多くの人が無意識にしてしまっている「歯肉ネグレクト」についてお話しします。
口の中を見れば、あなたの生活は丸わかり?
歯や口の中は、全身の健康状態を映し出す鏡のようなものです。
- 飲食習慣の乱れ … 「虫歯」として現れます。
- 全身の体調不良 … 免疫力が落ち、「歯周病」が悪化します。
- ストレス管理の不調 … 無意識の食いしばりが「顎関節症」を引き起こします。
歯や顎が発する痛みや違和感は、体からのSOSです。「ただの虫歯」「たまたま歯茎が腫れた」と片付けず、その裏にある「歯や顎の悲鳴」に耳を傾けてあげてください。
ストレスと歯周病の意外な関係
加齢とともにリスクが上がる歯周病ですが、実は「ストレス」が大きな悪化要因になります。
過度なストレスがかかると、以下の2つのルートで歯を痛めます。
- 物理的ダメージ: 噛みしめ(歯ぎしり)による歯や歯肉の怪我
- 内面的ダメージ: 歯周病菌に抵抗する「免疫力」の低下
予防のためには、まず過度なストレスをなくすことが大切です。
とはいえ、全くストレスがない状態(完全な無重力のような状態)も、体の機能を衰えさせる「廃用萎縮(はいよういしゅく)」を招いてしまいます。何事も「さじ加減」が大切ですね。
歯を支える「最強のバリア」を守れ
そもそも、歯は何によって支えられているかご存知でしょうか?
一番大切な土台は「骨(歯槽骨)」です。そして、その大切な骨を包んで守っているのが「歯肉(歯茎)」です。
- 歯肉が健康なら、骨は守られる。
- 歯肉が崩れれば、骨も溶けてしまう。
歯肉は、熱いスープや冷たい水、そして無数の細菌から骨を守るために、毎日最前線で戦っている「バリア」なのです。ちなみに、このバリア機能をサポートしているのが「唾液」と「常在菌」です。
あなたは「歯肉ネグレクト」していませんか?
最後に、皆さんに質問です。
「歯ブラシで、どこを磨いていますか?」
「歯ブラシなんだから、歯に決まってるでしょ」と思われた方。
実はその磨き方だと、一番の働き者である歯肉が「ネグレクト(育児放棄ならぬ、歯肉放棄)」されている状態かもしれません。
毎食の温度変化に耐え、細菌と戦い、歯を支え続けている歯肉。
もし、歯肉に炎症などの問題が起き続けると、最終的には土台である骨が取り返しのつかないダメージを受けてしまいます。
1日1回、歯肉に「お疲れ様」のマッサージを
歯肉ネグレクトを回避する一番手っ取り早い方法は、毎日のブラッシングを変えることです。
パソコンやスマホで凝り固まった首や肩をマッサージすると気持ちいいように、歯肉も「軽くて気持ちいい刺激」を待っています。
歯の表面の汚れを落とすだけでなく、歯ブラシの毛先を優しく歯肉に当てて、マッサージをするように動かしてみてください。
「今日も一日、守ってくれてありがとう」
そんな気持ちで、1日1回、歯肉をねぎらってあげましょう。
【まとめ】
- 歯は生活習慣やストレスを映し出す「物言う臓器」。
- ストレスは免疫力を下げ、歯周病のリスクを高める。
- 歯だけを磨くのはNG。土台を守る「歯肉」もマッサージしよう。
大名歯科では、歯肉の状態チェックや、正しいマッサージ指導も行っています。「最近、歯茎が疲れているかも?」と感じたら、お気軽にご相談ください。
Author Profile
- 大名 幸一 Koichi Omyo
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