歯より大事な臓器が口にある。知らない人ほど老けていく
歯より大切なものがある。歯科医が本気で伝えたい「唾液」の話
「歯を何本残せるか」が健康や寿命に関係する――この話は、よく知られるようになりました。
しかし、歯科医の立場から、あえてお伝えしたいことがあります。
実は、歯よりもっともっと大切なものがあります。
それが唾液です。
歯があっても、唾液がなければ健康は守れない
歯の本数が多い人ほど、健康で長生きする傾向があります。
同じように、唾液がしっかり出ている人も、健康で長生きしやすいことが分かっています。
自然界では、歯を失えば生きていけません。
人間は歯がなくても生きられますが、唾液がなくなると、生活の質は一気に崩れます。
食事がつらい、話しにくい、口が荒れる、感染症に弱くなる…。
唾液が減る=体の防御力が下がるということなのです。
唾液は、口の中の「天然の万能薬」
唾液には、次のような働きがあります。
- 虫歯・歯周病を防ぐ
- 口臭を抑える
- 入れ歯や粘膜の傷を防ぐ
- 口の中のピリピリ感を抑える
- 風邪や感染症の予防
- アレルギー反応を抑える
逆に、ストレスや緊張で唾液が減ると、これらのトラブルが連鎖的に起こりやすくなります。
口臭が気になる、虫歯が続く、歯周病が治りにくい――
その原因は「歯みがき不足」ではなく、唾液不足かもしれません。
ガムで唾液を出すのはアリ?ナシ?
ガムを噛むと、唾液は確かによく出ます。
この唾液が、虫歯や歯周病だけでなく、風邪の予防にも役立ちます。
さらに、ガムは奥歯の溝に入り込み、簡単な掃除効果も期待できます。
ただし、注意点があります。
噛みすぎは逆効果
歯と歯が強く・速く当たる噛み方は厳禁です。
これを続けると、
- 歯がすり減る
- 歯が割れる
- 顎や筋肉が痛む
といったトラブルにつながります。
ポイントは「甘噛み」。
軽く、ゆっくり、ほどほどに噛むことが大切です。
副作用ゼロの魔法の薬「唾液」の出し方
最近特に多いのが、頑張りすぎている女性に多いドライマウスです。
口の中が乾くと、
- 虫歯・歯周病
- 酸蝕症
- 口内炎
- 風邪や体調不良
のリスクが一気に高まります。
今すぐできる、簡単な唾液ケア
スマホを見ている時、テレビを見ている時で構いません。
リラックスした状態で、口をゆっくり動かし続けてみてください。
歯を当てず、力を入れず、「もぐもぐ」と。
しばらくすると――
自然に唾液が出てくるのを感じるはずです。
歯を守りたいなら、まず唾液を守ろう
歯は大切です。
しかし、歯を本当に守っている主役は唾液です。
唾液が出続ける口は、
虫歯にも、歯周病にも、感染症にも強くなります。
歯より先に、唾液を大切にする。
それが、健康で長く自分の歯を使い続ける近道です。
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- 大名 幸一 Koichi Omyo
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