大名歯科院長ブログOHMYO BLOG

無痛治療?歯科用う蝕除去液カリソルブ

2008年6月14日 大名歯科院長
この記事をFacebookでシェアする

みなさま、こんにちは
広島インプラント研究会(広島県三原市歯科医院)の歯医者です











カリソルブとは全く新しい『化学的―機械的う蝕除去法』に用いる材料のことです。

カリソルブは、スウェーデンの歯科大学、工科大学そして複数の研究機関とメディティーム・デンタル社によって1987年より10年間にわたり研究・開発されました。

一般臨床へは1998年よりスウェーデンを中心に導入され、現在では世界47カ国で臨床導入されています。

カリソルブは、カリソルブ溶液(次亜塩素酸ナトリウムと3種類のアミノ酸の混合溶液)の作用により、感染した象牙質のみを選択的に軟化させ、専用のインスツルメントを用いることでその感染部位のみを除去することを可能にします。

カリソルブは、健全象牙質には作用しませんので、組織を保存し非侵襲的に治療を行うことができます。





カリソルブを用いた治療に適応する患者は、健全歯質の保存が重要な患者、言いかえれば、う蝕に羅患した患者すべてが治療の対象となります。その中でも下記に示す患者の治療には特に有用だと思われます。


  1. 小児・高齢患者
  2. 歯科恐怖症・痛みに敏感な患者
  3. 全身疾患等で局所麻酔の使用が禁忌の患者
  4. 在宅診療の患者





適応症としてカリソルブを用いた治療はカリソルブとカリソルブ・インスツルメントが感染象牙質に到達可能であればどの部位でも適応となりますが、その中でも下記に示す症例には特に有効です。


  1. 根面う蝕
  2. 開放型の病巣がみられる歯冠う蝕
  3. 修復材料に近接するう蝕
  4. 補綴物のマージン部のう蝕
  5. 歯髄に近接しているう蝕





特長1健全歯質の保存
カリソルブを用いると健全象牙質と感染象牙質とが臨床的に明確に区分されます。
そのため感染象牙質のみを除去することが可能になります。
つまり健全歯質を不必要に除去することがありません。





特長2静かで快適な治療
従来のエアータービンやマイクロモーター等の回転切削機器による音や振動が最小限の使用で済みますので、患者さんは快適な環境で治療を受けることができます。









特長3痛みの少ない治療
カリソルブによる治療の多くは、局所麻酔の必要性が最小限にとどまります。ドリリングは主にカリソルブ・インスツルメント の到達が困難な窩洞において補助的手段として用いる場合があります。









特長4安全性
カリソルブは軟組織、エナメル質または健全象牙質には作用しません。また、歯髄に対する影響も報告されていません。









特長5利便性
カリソルブはカリソルブ溶液とカリソルブ・インスツルメント で治療を行いますので、高価な専用の器械を必要としません。また、カリソルブ溶液の1回の使用量は1mlと非常に微量ですので、臨床的な操作性にも優れています。






カリソルブ推奨ドクター DanEricsson教授(マルメ大学教授)
カリソルブの開発の経緯ですが、話は最初、カリエスをどの様に選択的に除くことができるか、そしてどうやったらより痛みが少なく、いかに健全歯質が保存できるか、という考えから始まりました。

最初は様々なジェル、アミノ酸の構成、次亜塩素酸ナトリウムの濃度や染料、またそれらの混合手段を検討していきました。

このように試行錯誤を続けるうちに現在のカリソルブにたどりつきました。カリソルブは直接感染象牙質と接触することによって軟化させます。

カリソルブは健全歯質に影響を及ぼさないので安全だと考えられております。

カリソルブにつきましては、重大な副作用などはありませんし、アレルギー反応や、有毒物質である報告もありません。

カリソルブは、健全歯質の不必要な除去を防ぐというだけではなく、精神的に歯科医師を受け入れられない患者のためにも必要だと思われます。

高齢の方や、または心臓の病気で麻酔剤の使用を嫌がる患者さんにはカリソルブは最適です。

とても、いい薬のように思えます。
しかし、利点だけではあやしい健康グッズの販売と変わりませんので、あえて私の思った欠点を述べたいと思います。

エナメル質を突破した虫歯の進行は象牙質との境で横に広がるため、ブラインドになりやすい。同部に薬剤が効くのか、また効いたのをいかにして確かめるのか?

虫歯の部分をきちんと確認しながら除去されている先生にとって、このカリソルブを使用するととてもいい加減な治療になりやすいと思われる。

現保険治療制度では、虫歯除去だけの治療費は実質タダ。
神経を守るなどのセメント処置も含めてはじめて250円。

カリソルブを治療方法として導入するためにはスタートアップセット材料費だけで一回当たり8,000円。

厚生労働省の社会保険庁の保健制度にもカリソルブメーカーにも現場の歯科医師の意見をもう少し取り入れてほしいものです。

現実には1本あたり10,000円~20,000円程度の自費でされているようです。
これでは虫歯1本の虫歯部分を除去するだけの治療費としては患者様にたいして申し訳ない。

カリソルブは麻酔やドリリングがどうしても嫌で治療費が高くなっても構わない患者様だけにお勧めの治療法でしょう。


予防HA(広島アドバンス)インプラント研究会
 健康増進部 大名


この記事をFacebookでシェアする

Copyright(C) 2013 OHMYO Dental Office All Rights Reserved.