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“よく噛む”は危険!? その噛み方、むしろ歯を壊します

2025年11月27日 大名歯科院長
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“よく噛む”は危険!? その噛み方、むしろ歯を壊します

「よく噛む=硬い物を噛む」は誤解です

「噛むことは体に良いから、硬い物をしっかり噛むようにしています」そんな声をよく耳にします。確かに、噛むこと自体は健康にとって重要です。しかし――

「速く・強く・いきなり一番奥歯で噛む」という噛み方は、歯にとって非常に危険な習慣です。

とくに、硬い食材をガチッと奥歯で噛むと、歯や歯根に瞬間的な強い衝撃が加わり、歯折(歯が割れる事故)を引き起こすことがあります。噛む力は体重以上ともいわれるほど強力です。食べ方ひとつで歯を壊してしまうことは、決して珍しくありません。

本当の「よく噛む」とは? 速く・強くではありません

患者さんから「私、よく噛んでいますよ!硬い物も噛んでいます!」と言われることがあります。しかし、この“よく噛む”の意味を誤解されている方が非常に多いのです。

正しい「よく噛む」とは――

  • 速く噛むことではない
  • 強く噛むことでもない
  • ゆっくり・優しく・回数多く噛むこと

特に、早食いの方は噛むスピードが速く、知らないうちに強く噛み込むクセがあります。このパターンが、歯が割れる典型例です。

「痛い」と思ったときは、すでに事故が起きています

噛んだときに「痛っ!」と感じた瞬間、その時点で上下の歯は完全に衝突事故を起こしています。

交通事故と違い、咀嚼は自分自身が上下の歯をコントロールできます。つまり、本来は歯の事故はすべて防げるはずのものです。

歯を守るために大切なのは、噛むスピードと強さをコントロールすることです。

🚗 「徐行咀嚼」=スローダウンして噛むこと

  • いきなり奥歯で噛み込まない
  • 最初は手前の奥歯で軽く噛む
  • だんだん噛みしめ位置を奥へ移動する
  • ゆっくり優しく、多く噛む

これだけで、歯へのダメージは大幅に軽減できます。

まとめ:今日からできる「安全な噛み方トレーニング」

次のような噛み方は、歯を傷めるリスクが高くなります。

  • ❌ 速く噛む
  • ❌ 強く噛む
  • ❌ いきなり一番奥で噛む
  • ❌ 硬い物をガチッと噛む

代わりに、次のポイントを意識してみてください。

  • ゆっくり噛む
  • 優しく噛む
  • 数多く噛む
  • 手前の奥歯からスタートする

「よく噛む」を間違えると歯を壊します。「よく噛む」を正しく行えば、噛む力・顎の筋肉・唾液分泌が向上し、むし歯・歯周病・老化予防にもつながる最高の「お口トレーニング」になります。

毎日の食事で、ぜひ「徐行咀嚼」を意識してみてください。


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