アマルガムの意外な真実——“体に悪い=虫歯に強い”は本当だった
「フッ素=安心」は本当?歯科医が語る知らないと危険な虫歯予防の落とし穴
大名歯科(広島県三原市)予防歯科コラム
科学的にも効果が証明されている、大切な予防手段のひとつです。
しかし、見落としてはいけないのが、フッ素も「薬」だということです。
薬である以上、当然ながら副作用リスクがまったくゼロというわけではありません。
フッ素は効果的。でも「フッ素=絶対に安心」は誤解です
フッ素は歯のエナメル質を強くし、酸に溶けにくい状態にしてくれるため、虫歯や酸蝕症の予防に役立ちます。
とても優秀な成分ですが、
「フッ素さえ塗っておけば虫歯にならない」という考え方は、実はもっとも危険です。
たとえば、こんな生活習慣があると、フッ素を使っていても虫歯は増えていきます。
- 間食やおやつが多い
- ジュースやスポーツドリンクをダラダラ飲む
- 味見やつまみ食いが多く、口の中がいつも何か入っている
- 唾液が少ない・よく噛まずに飲み込んでしまう
- 歯の溝や歯と歯の間に汚れが残りやすい
これらの生活習慣が整っていなければ、どれだけフッ素を塗っても、歯を守り切ることはできません。
フッ素はあくまで「補助」。フッ素だけで虫歯予防が完成するわけではない、という視点がとても大切です。
フッ素に頼らなくても虫歯予防は「100%可能」です
歯科医の立場からお伝えすると、虫歯は生活習慣と飲食のリズムを整えることで、限りなくゼロに近づけることができます。
正しく実践できれば、フッ素に頼らなくても虫歯予防は100%可能です。
ポイントは、次の4つです。
- 飲食回数を減らす(ダラダラ食べ・ダラダラ飲みをやめる)
- よく噛んで唾液をたっぷり出す
- 就寝前の飲食を控える(寝ている間は唾液が減るため)
- 歯と歯の間・歯の溝のケア(フロスや歯間ブラシなど)
とくに、「何回食べたか」「どのくらいの時間、口の中に糖分があるか」が虫歯に直結します。
フッ素を塗る前に、この「飲食の回数」を見直すことが、実は一番の虫歯予防なのです。
アマルガムの意外な真実:体に悪い=菌にも悪い?
ひと昔前の歯科治療では、「アマルガム」と呼ばれる金属の詰め物がよく使われていました。
アマルガムには水銀が含まれているため、現在では体への影響を考慮して、ほとんど使用されなくなっています。
ところが、このアマルガムの詰め物を外してみると、詰め物の下で虫歯が意外と進行していない、というケースをしばしば目にします。
「体に悪い物質は、菌にとっても住みにくい環境をつくる」という一面もあり、
体に優しいものが、必ずしも細菌にとっても優しいとは限らないのです。
つまり、菌(生物)に効くということは、私たち人間(生物)にも何かしらの影響を与えているということでもあります。
フッ素も例外ではなく、「効く」ということは「作用する」ということ。その意味で、使い方と量のバランスがとても大切になります。
フッ素との上手な付き合い方:頼り切るのではなく「使い分ける」
フッ素は、虫歯や酸蝕症のリスクが高い方にとって、心強い味方になります。
しかし、「フッ素を塗ったから安心」ではなく、「フッ素に頼らなくても済む生活習慣」を目指すことが、本当の意味での予防です。
そのために、当院では次のような考え方でフッ素との付き合い方をおすすめしています。
- 生活習慣の見直しをまず優先する
- 飲食回数・甘い飲み物の頻度をしっかりコントロールする
- そのうえで、必要な方にだけフッ素を「補助」として提案する
フッ素はゴールではなく、「卒業できるのが理想」と考えていただくと、予防の本質が見えてきます。
まとめ:フッ素より先に、生活習慣を見直してみませんか?
フッ素は、正しく使えば虫歯予防・酸蝕症予防に役立つ優れた成分です。
しかし、フッ素を「特効薬」だと思ってしまうと、かえって油断を生み、虫歯リスクを高めてしまうことがあります。
虫歯を遠ざける本当の力は、
飲食回数・唾液・よく噛む習慣・口の中の環境づくりなど、毎日の小さな積み重ねです。
大名歯科では、フッ素に頼り切るのではなく、「フッ素に頼らなくても安心できるお口づくり」を一緒に考え、サポートしていきます。
三原市で虫歯予防・フッ素の使い方・お子さんの歯の守り方について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
Author Profile
- 大名 幸一 Koichi Omyo
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