片側だけで噛んでいませんか?奥歯が左右にある“医学的な理由”
「奥歯が悪くなっても反対側で噛めるから大丈夫」──そう思って放置していませんか。片側噛みは“片足でケンケン”しているのと同じで、短期間は進めてもいずれ限界が来ます。左右バランスよく噛むことは、咀嚼(そしゃく)効率だけでなく顎関節や全身のバランス維持にも不可欠です。
奥歯が左右にある本当の意味
奥歯は食べ物を細かく砕くミル機能に加え、顎関節の位置安定、噛み合わせ(咬合)バランスの維持という重要な役割を担っています。左右対称の奥歯が同程度に機能してこそ、力の偏りが生まれず、歯や顎、筋肉への過剰負担を防げます。
片側噛みのリスクと連鎖
片側の奥歯が悪いまま反対側だけで噛み続けると、次のような連鎖が起きやすくなります。
- 反対側の奥歯の摩耗・破折リスク増(使いすぎによる疲労)
- 顎関節や筋肉の緊張(頭痛・肩こり・口の開けづらさ)
- 歯周組織への負担増(歯周病の悪化や噛んだ時の痛み)
- 最終的に両側とも噛めない状態に近づく(治療の長期化・高額化)
つまり「今は片側で噛めるからOK」ではなく、「両側を守るために早期に整える」が正解です。
「痛くない=大丈夫」ではない理由
歯は痛みが出る頃には進行していることが少なくありません。
「忙しいから」「まだ噛めるから」と受診を先送りにすると、老後に食事が楽しめない・外食や旅行を制限せざるを得ないといった生活の質(QOL)の低下に直結します。歯は失ってからでは元通りにならない臓器。だからこそ“痛くなる前の定期検診・予防ケア”が最重要です。
今日からできる予防・対策
- 定期検診&メンテナンス:症状がなくてもプロのチェックで早期発見・早期対処。
- 左右バランス咀嚼:意識して両側を使う。片側に痛みや違和感があれば早めに相談。
- セルフケア強化:歯ブラシは力任せに動かさず、毛先を当てて小刻みに。
デンタルフロス・歯間ブラシで奥歯の歯間清掃を習慣化。 - 間食頻度の管理:だらだら食べはむし歯リスク増。飲食回数のコントロールが有効。
よくある質問(FAQ)
Q1. 片側で噛むクセは自然に治りますか?
A. 自然改善はまれです。原因(しみる歯・噛むと痛い歯・高さ不良・詰め物の不具合など)を特定し、歯科での調整・治療と咀嚼指導を併用すると改善がスムーズです。
Q2. 痛くないのに受診するメリットは?
A. 小さな不具合のうちに対処でき、治療が最小限で済みやすくなります。結果的に通院期間・費用・歯質の喪失を抑えられます。
Q3. どのくらいの間隔で定期検診に行けばよいですか?
A. お口のリスクによって最適間隔は異なります。一般には3〜6か月を目安に、歯科医師・歯科衛生士の評価に合わせて調整します。
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まとめ:今“痛くない”うちが、最大のチャンスです
片側噛みを放置すると、やがて両側がダメージを受け、治療が長期化・高額化しがちです。痛みが出る前の定期検診と予防ケアで、将来の「噛める」を守りましょう。
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- 大名 幸一 Koichi Omyo
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