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口が臭うのは、唾液のせいだった!? ―マウスケアの落とし穴と本当に効く対策

2025年5月1日 大名歯科院長
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口臭って、誰にも気づかれずにどうにかしたい悩みのひとつですよね。多くの人がまず手に取るのは歯磨き粉や洗口剤。でも、実はそれらはあくまで“ごまかし”にすぎません。ゴシゴシ歯を磨いたり、強い香りの洗口剤でクチュクチュうがいをしたりしても、臭いの根本原因を断ち切ることはできないのです。むしろ、こうした製品を使いすぎることで、口臭を悪化させてしまうことも。

というのも、歯磨き粉や洗口剤に含まれる強力な抗菌成分は、口の中の“善玉菌”までも殺してしまうことがあり、それが唾液の分泌を減らす原因にもなるのです。そしてここが重要なポイント——**口臭の最大のカギは「唾液の質と量」**にあるということ。

唾液は「天然のマウスウォッシュ」

唾液には、口内の食べかすや細菌を洗い流す働きがあり、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)を中和する効果もあります。つまり、唾液は私たちの体に備わった“天然のマウスウォッシュ”。唾液がしっかり出ている人は、口臭のリスクがグッと下がります。

逆に、唾液の分泌が少ない人、あるいは唾液がすぐに蒸発してしまう人は、口臭が出やすくなります。特に「安静唾液」(リラックス時に分泌されるサラサラの唾液)が少なくなると、口内がネバネバしやすくなり、細菌が増殖。これが口臭の温床になるのです。

安静唾液 vs 緊張唾液

実は唾液には2種類あります。

安静唾液:水のようにサラサラで、主にリラックスしているときに分泌されます。殺菌や自浄作用に優れ、口臭予防に最も効果的。 緊張唾液:緊張やストレスを感じたときに分泌される粘り気のある唾液。これが増えると、口の中がネバつき、かえって臭いが悪化することも。

つまり、ストレスや不規則な生活は「悪い唾液」を増やし、「良い唾液」を減らす原因になっているのです。

今すぐできる!唾液を増やす具体的な方法

ここからは、唾液の分泌を促し、安静唾液の質を高めるためのシンプルかつ効果的な対策をご紹介します。

1. よく噛んで食べる

噛む回数が増えると、唾液腺が刺激されて分泌が促されます。ガムを噛むのも効果的。特にキシリトール入りの無糖ガムがおすすめです。

2. 口の中を「ストレッチ」

「舌回し体操」や「あいうべ体操」など、舌や口の周りをよく動かす運動を取り入れると、唾液腺が活性化されます。

3. 水分補給を忘れずに

唾液の原料は水分。こまめに水を飲むことで、口内の潤いが保たれます。カフェインやアルコールは利尿作用で逆効果なので要注意。

4. ストレスを溜めない生活を心がける

睡眠不足や緊張状態が続くと緊張唾液が優位になります。深呼吸や軽い運動、入浴などでリラックス時間を確保しましょう。

5. 鼻呼吸を意識する

口呼吸をしていると口内が乾きやすくなり、唾液も減少します。鼻呼吸を習慣づけることで、口内環境が整います。

まとめ

口臭の原因は、思っているよりもずっと身近で、そして意外と単純。派手なマウスウォッシュや香りでごまかす前に、自分の「唾液の状態」をチェックしてみることが大切です。サラサラ唾液を味方につければ、あなたの口元はもっと爽やかになります。

“口臭対策=唾液力アップ” という新常識、今日から始めてみませんか?


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